車椅子の種類は何種類?適切な車椅子の選び方とは?

車椅子を選ぶ時の基準がいまいち分からなくて困ったもんじゃの~

「車いすを初めて利用するけど、何を選んだらいいのかわからない」 「自分に合った車いすの選び方を知りたい」
本記事は、このような悩みを持つ方々に向けて、車いすの選び方と基礎知識について解説しています。
ぜひ本記事を参考にして、ご自身に最適な車いすを見つけてください。

目次

車いすは自走式・介助式の2種類があるんです!

車には大きく分けて以下の通り

  1. 自走式車いす
  2. 介助式車いす

それぞれのタイプの特徴を紹介しますので、介護を受ける方に合うタイプを考える参考にしてください。

自走式車いす
自走式車いすは、利用者自身が車いすを操作することができるタイプです。大きな後輪に手で回すことができるハンドリムが付いており、腕の力で前進や後退、方向転換を行います。自立して移動できる範囲が広がるため、体力や腕の力がある方に適しています。

介助式車いす
介助式車いすは、介助者が後ろから車いすを押して操作するタイプです。後輪が小さく、介助者が車いすをコントロールしやすい設計になっています。利用者が自分で操作する必要がないため、高齢者や体力の低下している方、腕の力が十分でない方に適しています。

どちらのタイプが介護を受ける方に適しているかを、利用者の身体状況や生活スタイルに応じて検討してみてください。

自走式車いすの特徴

自走式車いすの主な特徴は以下の通りです。

  • 自分で動かせる:利用者自身が車いすを操作できます。
  • ハンドリム付きの駆動輪:後輪が大きく、手で操作するためのハンドリムが付いています。
  • レッグサポートの取り外し:足を乗せる部分(レッグサポート)が取り外せるため、足でも動かすことができます。
  • 介護者による補助:介護者が後ろから車いすを押して介助することも可能です。
  • 介助ブレーキ付き:介護者が操作するためのブレーキが付いています。

駆動輪(後輪)の大きさはメーカーによって異なりますが、一般的には20〜24インチで、大きな車輪は操作がしやすく安定しています。

デメリット

  • 小回りがきかない:大きな車輪のため、狭い場所での操作が難しいことがあります。
  • 持ち運びに不便:重量があるため、車いすの持ち運びが難しい場合があります。

自走式車いすは、自分で歩くのが難しいが、手や足を動かせる方に適しています。自力でできることが増え、自立支援につながります。歩行状態が少し悪くなった程度の場合、まずは自走式を使用し、必要なときのみ車いすを利用するのが良いでしょう。

介助式車いすの特徴

介助式車いすの主な特徴は以下の通りです。

  • 自分では操作できない:利用者自身が車いすを操作することはできません。
  • 介護者が操作:介護者が後ろから押して車いすを動かします。
  • 後輪が小さく軽い:自走式に比べて後輪が小さく、全体的に軽量です。
  • コンパクトで持ち運びに便利:持ち運びがしやすく、車への積み込みも簡単です。
  • 小回りがきく:狭い場所でもスムーズに操作できます。

後輪の大きさはおよそ6〜16インチで、自走式のようなハンドリムは付いていません。コンパクトな設計なので、車に積み込む際にも便利です。外出先で車いすが必要な場合は、介助式が適しています。

介助式のメリットと注意点

  • メリット:自分で車いすを動かせない方には介助式が最適です。軽量で小回りがきくため、外出時にも使いやすいです。
  • 注意点:後輪が小さく、後ろに倒れやすいことに注意が必要です。介助する際は、後ろに体重をかけすぎないように配慮しましょう。

介助式車いすは、利用者が自力で操作するのが難しい場合に最適です。介助者が安全に操作できるよう、後輪の特性に注意しながら使用してください。

車いすの6つのタイプ

車いすは、自走式と介助式の中でもさらに以下のようなタイプに分かれます。

  1. 標準タイプ
  2. モジュールタイプ
  3. リクライニング・ティルトタイプ
  4. 肘跳ね上げ・足開閉タイプ
  5. 六輪車タイプ
  6. 電動式タイプ

利用者のお身体の状況や生活環境に合わせて、最適な車いすを選びましょう。それぞれのタイプの特徴を解説します。

1. 標準タイプ

標準タイプ車いすの特徴は以下の通りです。

  • 最も多く使用されている車いす:一般的に広く利用されています。
  • 自走用と介助用がある:利用者が自分で操作できる自走用と、介助者が操作する介助用があります。
  • 軽量でコンパクト:持ち運びやすく、収納にも便利です。
  • シンプルな構造:背もたれと座面が一枚布でできており、シンプルなデザインです。
  • 標準的な座席幅:座席の幅は基本的に40cm(±2cm)です。
  • 広く普及:病院や商業施設で貸し出される車いすのほとんどがこのタイプです。
  • メンテナンスが簡単:構造がシンプルで、メンテナンスがしやすいです。

デメリット

  • カスタマイズ性の欠如:フットサポートやアームサポート(肘かけ)の着脱や調整ができないものが多いです。
  • 座り心地が良くない:長時間の使用には適していません。
  • 購入しやすい価格:その分、価格は比較的安価で購入しやすいです。

標準タイプの車いすは、手軽に利用できる反面、長時間の使用や特別なサポートが必要な場合には不向きです。購入する際は、使用目的や利用者のニーズを考慮して選びましょう。

2.モジュールタイプ

モジュールタイプ車いすの特徴は以下の通りです。

  • カスタマイズ可能:利用者の体型や状態に合わせて各パーツを調整できます。
  • 高さの調整:背もたれや座面、フットサポートなどの高さを調整可能です。
  • 調整箇所が車いすによって異なる:車いすによって調整できる箇所が異なります。

モジュールタイプの車いすはカスタマイズ性が高く、調整がしやすい反面、標準タイプに比べて価格が高くなります。購入する際には、福祉用具の専門家に相談すると良いでしょう。

購入前の相談は必須!

調整可能な箇所が異なるため、購入前に福祉用具の専門家やケアマネジャーに相談することをおすすめします。どこに相談していいか分からない場合は、お近くの地域包括支援センターに連絡して、適切な専門家や事業所を紹介してもらいましょう。

モジュールタイプの車いすは、利用者の個々のニーズに応じた調整が可能です!

3.リクライニング・ティルトタイプ

リクライニング・ティルトタイプ車いすの特徴は以下の通りです。

  • リクライニング車いす:背もたれのみを傾けることができます。
  • ティルト車いす:背もたれと座面の両方を傾けることができます。

このタイプの車いすは、標準タイプでは座位を保つことが難しい方に適しています。ティルト車いすは座面も一緒に傾けられるため、安定した姿勢を保つことができ、体圧分散効果もあります。そのため、長時間車いすで過ごす必要がある場合や、受診のための移動などに役立ちます。

デメリット

  • サイズが大きい:ティルト車いすはサイズが大きいため、小回りがきかず、持ち運びにくいことがあります。
  • リクライニングタイプの欠点:リクライニング車いすは座面を傾けられないため、前方向に体がずれやすく、姿勢が崩れやすいというデメリットがあります。

リクライニング・ティルトタイプの車いすは、長時間の使用や特定の医療ニーズに対応するために設計されています。利用者の体型や状態に合わせて選ぶことで、快適な移動と安定した姿勢が出来るでしょう!

4. 肘跳ね上げ・足開閉タイプ

肘跳ね上げ・足開閉タイプ車いすの特徴は以下の通りです。

  • アームサポートの跳ね上げ:アームサポート(肘かけ)を跳ね上げることができます。
  • フットサポートの折りたたみと取り外し:フットサポート(足台)を折りたたむだけでなく、取り外すことも可能です。自走式の場合、フットサポートを外して足で漕ぐこともできます。
  • 移乗介助のしやすさ:肘跳ね上げ、足開閉タイプは、移乗介助がしやすいです。

デメリット

  • 標準タイプの欠点:標準タイプの車いすでは、アームサポートやフットサポートが邪魔になるだけでなく、体に当たってけがをすることもあります。皮膚が弱い方や、足に力が入らず姿勢が保てない方には、このタイプの車いすが適しています。

肘跳ね上げ・足開閉タイプの車いすは、移乗の手間を減らし、利用者の快適さと安全性を向上させるための優れた選択肢です。

5. 六輪車タイプ

六輪車タイプ車いすの特徴は以下の通りです。

  • 前後にキャスターがある:通常は前にしかないキャスターが、駆動輪(後輪)の後ろにもあります。
  • 室内専用:小回りがききやすく、狭いスペースでも旋回できるため、自宅の狭いスペースでの利用に適しています。
  • 倒れる心配が少ない:後ろにキャスターがあることで、車いすが倒れる心配がありません。
  • 段差を越えやすい:重心を後ろにして前輪を上げることで、段差を越えることができます。
  • 駆動輪が中央にある:駆動輪がほぼ中央にあるため、上半身の動きに制限がある利用者でも旋回しやすい作りになっています。

デメリット

  • 介助時の不便さ:後ろのキャスターが介護者の足に当たり、邪魔に感じることがあります。

六輪車タイプは、後ろに倒れないという安全性や小回りがきく機能性を持ち、自宅などの狭いスペースでの利用に非常に適しています。介助時の不便さがあるものの、メリットが大きい車いすと言えるでしょう。

6. 電動式タイプ

電動式タイプ車いすの特徴は以下の通りです。

  • 電動モーターで動かす:電動モーターを使って移動します。
  • 操作方法:アームサポートの前方にあるコントローラーを使い、スティックを動かして操作します。片手が動かせれば操作可能なので、片麻痺など身体機能に制限がある方でも自走可能です。
  • 自走式と介助式:自走式と介助式があり、介助式には押す力が少なくても動かせる電動アシスト機能が付いています。

デメリット

  • 充電が必要:定期的に充電が必要です。
  • 重い:車いす自体が重いため、一人で持ち運ぶのは難しいです。

電動式タイプは、身体機能に制限がある方でも簡単に操作できる利便性がありますが、充電の手間や持ち運びの難しさというデメリットもあります。

車いすの選び方|5つのポイントを確認しよう

車いすは身体の一部です。身体と生活に適した機種を選びましょう。

Point 1: 座面の幅

適切な幅の選び方:座位臀幅 + 2cm程度

  • おしりの横に手のひらが入る程度のゆとりがある幅を選びましょう。
  • 幅が広すぎると:骨盤が左右に傾き、上半身が不安定になります。

Point 2: 座面の奥行き

適切な奥行きの選び方:座底長 – 5~7cm

  • 座面奥行きが長いと:座面シートがふくらはぎに当たり、ずっこけ座りの原因になります。
  • 座面奥行きが短いと:おしりにかかる圧力が大きくなり、床ずれが生じやすくなります。

Point 3: 座面の高さ

適切な高さの選び方:座位下腿長 + 2~5cm – クッション厚

  • 座面シートが高すぎると:奥まで座ることができず、ずっこけ座りの原因になります。
  • 適切な高さに設定すると:立ち上がりが楽になります。

Point 4: レッグサポートの長さ

適切な長さの選び方:座底長 – 5~7cm

  • レッグサポートが短いと:膝が上がり、後方に押し倒されるような姿勢になります。
  • レッグサポートが長いと:足をフットサポートに届かせようとおしりを前方に滑らせます。
    どちらもずっこけ座りの原因になります。

Point 5: アームサポートの高さ

適切な高さの選び方:座位肘頭高 + 2cm + クッション厚

  • 適切な高さに設定すると:上半身の重みの一部を肘で支えることができ、特に肩への負担が軽減されます。

これらのポイントを参考にして、最適な車いすを選びましょう。

まとめ

車いすの選び方に悩んでいる方や、どの車いすが自分に合っているか知りたい方に向けて、本記事では以下のポイントを解説しました。

  1. 車いすの種類
    • 自走式:自分で操作できるタイプ
    • 介助式:介護者が操作するタイプ
    • その他のタイプ:標準タイプ、モジュールタイプ、リクライニング・ティルトタイプ、肘跳ね上げ・足開閉タイプ、六輪車タイプ、電動式タイプ
  2. 選び方のポイント
    • 座面の幅:座位臀幅+2cm程度
    • 座面の奥行き:座底長-5~7cm
    • 座面の高さ:座位下腿長+2~5cm-クッション厚
    • レッグサポートの長さ:座底長-5~7cm
    • アームサポートの高さ:座位肘頭高+2cm+クッション厚

車いすは身体の一部として、適切な選択が重要です。本記事を参考にして、自分に最適な車いすを見つけてください。もし不安がある場合は、福祉用具の専門家や地域包括支援センターに相談することをおすすめします。

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